交通事故・むちうち
むちうちとは、交通事故などで首に不自然な強い力がかかったことによる首の捻挫です。衝撃を受けたときに、ちょうどムチがしなるように首が動くので「むちうち」と呼ばれていて、診断名としては「頚椎捻挫」や「外傷性頚部症候群」などと呼ばれています。
交通事故・むちうちの症状
むちうちの症状はその程度によっても違いますが、一般的に首を動かしたときに痛む「動作時痛」と動かしづらい「可動域制限」が見られます。よくある症状の一つに数日たってから痛みが出る場合があります。これは、人間の頭は意外にとても重く、それが強い衝撃で前後に揺さぶられることで頭を支える首にかなりの負担がかかります。そのため、直後に目立った外傷がないときは痛みの自覚がなく、後になってから炎症が起きるため遅れて痛みが出てくるわけです。
また、頭から背骨にかけては重要な神経の束が走行しています。これが、むちうちの衝撃により首の筋肉だけでなく、この神経を傷つけている可能性もあります。その場合、首の痛みだけでなく手や腕のしびれ・めまいが生じたりという事もあります。
その他にも「むちうち」の症状には次のようなものもあります。
- 頭痛・めまい・疲れやすくなった・不眠
- 検査で異常がないのに首が痛む・調子が悪い
- 集中力がなくなり仕事に支障がでる
- 天気や湿度で症状がでてくる
以上のような症状があればむちうちと考えられます。
交通事故の他に、スポーツでの衝突やスキー・スノーボードでの転倒でもなりやすい症状です。
交通事故・むちうちはどのくらいで治る?
事故などで受けた外力の強さにもよりますが、軽いものなら1〜2週間。長ければ2〜3ヶ月。重度なら半年〜1年以上症状が続く場合もあります。できるだけ長引かないためにも早目に医療機関を受診しましょう。
交通事故・むちうちの施術方法
事故の状態によってさまざまなケガが起こり得ますが、事故後まもない急性期には熱や腫れがあればアイシングと各種テーピングで患部を安静に保ち炎症を鎮めていきます。痛みが強く神経症状があれば頚椎カラー(コルセット)で固定をします。
その後、通電療法や経穴(ツボ)への刺激で回復を促します。症状の経過をみて、筋力の回復や関節可動域の改善を目的に運動療法を含めた手技でのアプローチも行なっていきます。
また、二次的な症状として起こる、頭痛・めまい・不眠などは東洋医学的なアプローチを行なっていきます。ツボを使った刺激や手技、スパイラルバランス療法、歪みがあれば矯正などを行い、症状の改善を促します。
交通事故に遭ってしまったら何をすればよい?
1. 交通事故にあったら、まずは警察に連絡しましょう
大した事故でないと判断し警察への届け出を怠ると、保険会社に保険金を請求する際に必要となる「交通事故証明書」が発行されません。必ず警察に連絡してください。
2. 加害者の氏名・住所・連絡先を確認しましょう
また、加害者の加入している自動車保険(任意保険会社)が分かれば保険会社の連絡先も確認してください。
3. 携帯電話のカメラ等で事故現場の写真を撮りましょう
事故状況の記録を残すことは後々の保険金請求に有効な証拠となることがあります。余裕があればブレーキ痕や破損した箇所の写真も撮っておきましょう。
4. 少しでも体に痛みを感じた場合は必ず医療機関を受診しましょう
大したケガでないと思っていても、後日、症状が現れることはよくあります。事故日から初診までに時間が空いてしまった場合、症状が事故によるものかどうか、その因果関係を疑われてしまうケースがあります。そのためできるだけ早く受診するようにしてください。